天然色の人間
実は杉浦はさだまさしが好きです。
先日ラジオでふと聞いたさだまさしの『天然色の化石』で色々考えさせられることがありました。
僕が1番に思ったのが,
『そう言えばデパートの恐竜展でこの間不思議に思ったことがあった
何故恐竜達はみんな同じように
寂しそうに
緑や黒に塗られているのだろう
ピンクや赤や黄色や
トカゲのように
七色に光っていたっていいと思わないか』
これって僕が今日本人に一番言いたい事だ。なぜ日本人は暗い色が好きなのだろう?黒や茶色や灰色や紺や,暗い寂しい色ばかり好きなのだろう。たまに明るい色のものを着ていても大抵パステルカラーなのだ。日本にいれば普段は気付かないけれど,僕はよく用事で韓国に行くから,日本に帰ってきたらものすごく『それ』が気になることがある。どうしてそんなに地味な汚い色の服を着ているの?どうしてみんなそんなに真っ黒なの??
母親がカラフルなのが好きだったから僕は子供の頃から派手な色の服ばかり着せられていた。だから僕は服の色が赤や黄色が普通だと思っていた。
そういえば中学のときに学校の工作でフラフープを作ったときに,それぞれ好きなカラーテープを2種類買ってきて貼りつけなさいと言われ,僕は華やかな金と銀のキラキラ光るテープで飾り付けた。
翌朝学校に持って行ったら,クラスのほとんどが黒いテープ。あとはブルーや水色のテープが少し。
まるでみんな申し合わせたように真っ黒け。おまけに一部の女子にちょっと馬鹿にされた。
どうして赤やピンクや黄色の人がいないのだろう。どうして僕のように光物が好きじゃいけないのだろう。
美術の授業で絵を描くときも僕は明るい色で塗り固める。黒なんて絶対に使わない。僕はそこかしこに太陽や虹を描き込む。赤やピンクやオレンジが放射状に光を放つ。水玉模様の蛇の散歩。それは色彩への賛美。光への賛美だ。
大人になって僕はゴスロリになった。だけどゴス=黒という感覚が好きじゃなかった。
でもゴスロリは黒か白が多かったから白を着ていたけれど,本当は何よりもピンクが大好きだったのに。だけどとうとう真っ黒に嫌気が差して僕はピンクのロリータ服ばかり選ぶようになった。だけど間違えないでいて欲しい。ピンクの服を着ていたからといって僕がゴシック精神を捨ててしまったわけじゃないと言う事を。たまたま僕が黒が嫌いでピンクが好きだったというそれだけの話なのだから。
もちろんゴシックは闇を表すのだから闇=黒というスタイルはとても大切だ。しか,日本のゴシックファッションが海外のゴシックファッションに比べて黒にこだわりすぎていると言う事に早く気付いて欲しい。僕の言うとおりなのだとしたら日本人は暗い色ばかり好きだというのが本当なのだとしたら。アメリカのゴスドールリビングデッドドールは必ずしもみんな真っ黒の服を着ているだろうか。白いのや赤いのや水色のやピンクのやオレンジのや色んな服を着ているはずだ。
黒い服を着ていないからリビングデッドドールは怖くないのだろうか。そんなことはない。僕のうちにいるLULUという子をよく見て欲しい。髪の毛はピンクで服は白いチュチュ。とてもとても明るい色彩だ。だけどこの子の髪や服が黒くないからゴシックじゃないと言えるだろうか?
明るい色だってゴシックになれる。リビングデッドドールを見て気付いた人はきっと他にもいるんじゃないだろうか。僕がゴスロリだったからゴスロリ=黒はおかしい,という話になったけど別にゴスロリに限らなくても普段の生活の普通の人にもこれは言える事だ。
なぜ制服でもないのに私服なのにみんな黒や紺や茶色や灰色の暗い色の服を着ているのか?誰かが決めたのか?私服なのに。それともカラフルである事について何か罪悪感でもあるのかな?
今は入学式と卒業式のシーズンだが,小学校の卒業式にマギー審司のような真っ赤なジャケットを着てきた僕のような日本人は今どれくらいいるだろう?