伝統の味

ここは達哉君の勤務先の会社

和田専務「あ,これは沙湾区の自治会長の松永さん」

松永さん「こんにちわ。先月の町内運動会で頼んだお弁当も皆さんに好評だったわ」

和田専務「ありがとうございます」

松永さん「それでね,今月の老人会の文化発表会のお弁当も頼みたいの。予算は一人850円くらいで数は83人よ」

和田専務「ちょっとお待ちください。担当の者を内線で呼びますので」
和田専務「ああ,達哉君,今月の17日に沙湾区の文化発表会のケータリングをご依頼いただいたところだよ。予算は850円でお年寄りにぴったりのお弁当…できるかい」

達哉「はぁ,その予算でしたら十分余裕があると思います」

松永さん「そうよかったわ。みんなこちらのお弁当楽しみにしているの」
松永さん「ところで先月の町内運動会のお弁当だけどお弁当の栗の甘露煮の味付け少し変えられた?」

達哉「いえ…そんなことは」

松永さん「私の思い違いかしら。いつもより少しお醤油の味が強いような気がしたの」
和田専務「それはおかしいねぇ。うちの会社のケータリングのデザートの栗の甘露煮は先代の社長のころから変わらないレシピを忠実に守ってるんだよ。急に味が変わるなんてことは」

達哉「気になりますね。調べてみますよ」

松永さん「待って。そんな調べなくてもいいわよ。きっと私の思い違いだから」

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