返してください

アヤコ「アナスタシアさんに会いたいって人が来てますよ」

アナスタシア「…?」
アナスタシア「何の御用かしら?」

エリ「こんにちわ。私は江古田エリっていいます。突然ですけど,高見沢さんのポワント,返してあげてください」

アナスタシア「何のことを言っているの?」

エリ「とぼけないで下さい。高見沢さんの履き古しのポワントを新しいポワントとすりかえたでしょう。どうしてそんなことするんですか。高見沢さんがケーキを探しに行っている間にすりかえたんですよね。お店の防犯カメラを見ればはっきりすることですよ」
アナスタシア「た,確かに新しいものと取り替えたのは私だけど,それはあの子がいつもボロボロのを履いているから新しいのをコッソリプレゼントしたのよ」

エリ「じゃ,なんで古いポワントを持っていったんですか。それにいきなり新しいポワントを履かされてそれも自分がその事を知らないまま踊らされたら自分の足が悪いんじゃないか,自分が踊れなくなったんじゃないかって誤解しますよね。それがどれくらいとんでもないことかってくらいあなただってプロのダンサーなんだから分かりますよね」

アナスタシア「うっ…」

エリ「どうして,どうしてこんなことするんですか,あなただって以前はマリインスキーのミューズって言われてたんでしょう?それなのになんで…」

アナスタシア「<<以前>>はね…」

エリ「…!!…………すみません,私…。と,とにかく私は帰ります。ポワント,返してあげてください」
夕方。
ピンポーン。
1/6幸ちゃん「はいはい」
1/6幸ちゃん「誰もいないじゃねぇか。何だ,この箱は。靴箱か?」
1/6幸ちゃん「こりゃ,俊彦のボロ靴じゃねぇか。なんでこんな所にあんだ?」
←コンテンツに戻る
←フォトドラマtopに戻る